取るに足らない雑記

風俗で働いてます。4,5年目くらい。

2016.10.27

イベント終了後、イベントに来ていた地元の方々の写真撮影に応じている彼。

自分も、純粋に、一緒に撮って欲しくてお願いして写真を撮って頂いた。

全ての撮影に応じたあと、慌ただしく会場の片付けが始まって、彼も共演者と共にはけていった。

いちイベント客である自分は邪魔になると思い、車を出してくれていた親と親の彼氏に「イベントは終わった」と連絡し、迎えに来て貰うようLINEで頼んだ。

親からは、「あと10分ほどでそちらに着く」との返信。

直後、Twitterの通知①がつく。「先ほどはありがとうございました。もう帰ってしまいましたか?」

突然の連絡に驚きながら、必死に返信文を打つ。「こちらこそありがとうございました!お邪魔かと思いいなくなりましたが、まだ会場付近にいます!」

 

以前、電話で、彼が自分の仕事にとても興味があるのをいいことに、「ぜひお店に来てください、お代はお返しするので(笑)」「あっでもそれだとお店にお金取られちゃうだけだなあ…じゃあ、そういう気分になったら気軽に呼んで下さい!どこでも飛んでいきます!」と、自分でも本気なのか冗談なのか分からない誘い言葉をかけていた。ちなみにこのときの記憶は、必死すぎて自分でも曖昧。

 

そう、来るべくして来た時であった。

ただの生き地獄だった人生に、少しだけ見えた光。

 

と、最近落としたばかりのSkypeの電話が鳴る。震えながら、通話ボタンを押す。

「このあと駅に移動するのですが、よかったら会いませんか?」

真っ白になった頭でなんとか頷く。迎えに来た親たちに、どう嘘をつくか考える間もなく、「このあと急に友達に会うことになったから、帰るのではなく駅まで送って欲しい」と頼む。

自分がステージを見にこの場所に来ているのを知っていた親はすぐさま「さっきの人と会うの?」と聞いてきた。いつもなら簡単につける超リアリティのある嘘も、光が眩しすぎて対応出来なかった。

「そう。…他に来てたファンの人も、いるみたい」

かなり苦しい後付け。

 

2人から「3時間だけ」という、なんとも箱入り娘な時間制限を設けられた。終わる時間が分からないから1人で電車で帰ると言っても聞く耳を持たなかった。駅に着いた自分は、先に彼から「用事があるから少し待ってもらうことになる」と言われていたので、まず先に化粧を直した。よりによって化粧ノリが悪い日で、何度もファンデーションを塗っては拭った。

そして適当に入った雑貨屋でピアスを買った。この日を忘れないように。店内BGMは、V6のSky's The Limit。

 

彼が到着したのは、自分が駅についてから1時間ほど経った頃と思う。Skypeの着信があり電話に出ると、「どこらへんにいますかね…」と、電話している彼と遭遇。遭遇もなにも、初見の駅とはいえ彼が来る駅の出入口(タクシー降り場)は一目で分かっていたのだけれど。

 

「どこに行きましょう」「どこに行きましょうか…」

以前、自分の仕事の話をしたとはいえ、そう、自分の人生のことなので、当然食事に行くものだと思っていた。後から考えれば、彼の地元で一般人の異性と食事なんて、人目につきすぎて有り得ないのだけれど。

 

「とりあえず漫喫行きますか」という彼の言葉に、迷わず頷く。なにより、初めて来た地であるので、まず何があって何が無いのかわからない。

受付で、会員登録をしている間にふと思う。漫喫…いや、え、み、密室すぎん?(笑)あ、あれか、二人用の部屋もあるしね、大丈夫大丈夫。

お店の方から生憎、部屋が空いていないので待っていて欲しいとのこと。パイプ椅子に腰掛ける。場を繋ごうと必死に話すが、から回る。聞く耳も話す口も意識は無く、自分にこんな日があってもいいのか?いや期待するな、でももしかしたら、という堂々巡りだけ。

 

部屋の番号が書いた紙を渡され、二人で向かう。着いたのは、どう見ても一人用の個室。むしろここ、男女二人で利用していいんですか?くらいの狭さ。たまたま近くを歩いていた店員さんに確認をした。この部屋で間違いなかった。

否応なしに密着する。彼の顔を見ることなんて、当然出来ない。部屋の壁に書かれた『大声で喋らない』という注意書きが、やけに太字に見えた。

何分間かは、たわいもない話をした気がする。気がする、というのも、舞い上がって真っ白になっていたのと、単純にお互い小声だったのでそんなに実のある話はしなかったので。

ふと彼が「FC2ライブ観たんですか?」と、話題を持ち出す。あー。その話、この距離でしちゃいます?正直自分は短い動画派だったけれど、彼に‘そういう事’に興味がある人だと思われたいが為に、彼に教えてもらった「FC2ライブ」を観たと言った。

恐る恐る顔を合わせると、当然、すごくかわいい。あー、もう今日人生が終わってもいい。と思った。

 

「いい匂いするー」と言うと、「フェロモンです」って、こないだの飲み会と同じテンプレ回答とちょっとドヤ顔。かわいくて、ふふ、って笑ったら「ほんとはブルガリだけど」と、ポツリ。わざわざ自分の為に手首を見せてくれたので、顔を近づけて匂いを嗅ぐ。いい匂い。

 

 仕事の流れって、どんな感じ?と聞かれる。自然に肩を抱いてくる。この人慣れてる…!って冷める場面の筈なのに、そんなこと思う余裕なんて無くてただただ俯いて赤面するだけ。「いつもみたいにしてみて」と囁かれたのでとりあえず、〝いつもみたいに〟太ももを撫でる。仕事の時と比にならないくらい、緊張する。手が震えないように、ぎこちなくならないようにするのに必死で全神経を右手に集中させた。

何往復もして、恥ずかしさに耐えられず顔を両手で覆い首を振ると、フツーに抱き締められる。さっきの甘い香りと心臓の音。あったかい。何度目かの、死の覚悟(笑)